海外ドラマ ツインピークス:リミテッド・イベント・シリーズ デビッド・リンチ

平成最後のゴールデンウィーク・デイにツインピークスの新シリーズをGEOのレンタルで見た。なぜTSUTAYAでないのかといえば、旧作が一週間100円だったからだ。レンタルDVDを借りるのは十年振りくらいだったが、TSUTAYAはかなり値上げをしていた。旧作も240円も取っていたので、家から遠くではあったがGEOまで車で行った。

–ツインピークス:リミテッド・イベント・シリーズ デビッド・リンチ

ちなみにツインピークスは直訳すれば「二子山」という意味だ。感想はというと、今回は全くと言っていいほどストーリー性がなく、劇中劇のような本筋に関係ないシーンが断片的に、しかも、別々の流れが並行して続き、忘れたころに前置きもなく挿入されてきて、話が何かに収斂していくというより際限なく横滑りしていく感じだった。結末もなく謎は謎のまま放り出されるようにして終わり、デビッド・リンチらしい演出ではある。主な配役が二十五年前と同じ俳優(一部は前作の使いまわしとCG)を使っているので、当時は若くて美人だった女優(女子高校生役も)が何人も再出演していて、デビッド・リンチ的エロス表現もあり、熟女ものAVを見ているような気持ちになる場面もあった。とりあえず、最後まで見た。

作品としては悪くない、というか、長回しのシーンが異常に多く、普通は時間の節約のために省略やカットする動作を一連の流れとして、「ドラマ的」な演出を排除し「普通にやっている」仕草や反応を見せることに徹底しているように感じた。ストーリーや出来事の意味に拘る視聴者だと退屈だろうが、サミュエル・ベケットの『ゴドーを待ちながら』のような無意味の意味を感じるようなドラマではあった。不条理で夢見ている本人にも理解不能な、意味の分からないイメージが際限なく続いていく夢を見ているような感じだといえば、良いだろうか?とにかく、リアルさと幻想とパロディが混在した、デビッド・リンチらしい作品を見ることができたので満足できた。

しかし、私にとってデビット・リンチといえば「ブルーベルベット」が最高傑作だ。まだ高校生くらいのカイル・マクラクラン(ツインピークスと同じ主人公)が出ている。「デューン砂の惑星」にも主役で起用している。デビット・リンチは同じ俳優を使い続けるのだが、手塚治虫が同じキャラクターを別の作品に脇役などに使ったりするのと同じ感覚なのだろうか?それはともかく、この作品ではサディズムとマゾヒズムと人間の良心の闘争というか葛藤というか、言葉にしにくい雰囲気が一貫して感じられ、他に似たような作品を思い付かない。

–映画 「ブルーベルベット」

今回ツインピークスを見た理由は、最近は映画も作ってないようだし、高齢になったデビッド・リンチの作品はこれが最後かもしれないと思ったからだ。私はデビッド・リンチとか、リュック・ベッソンとか癖のある一般受けしない監督の作品が好きなのだなあ、と思った。

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