相変わらず緊急事態宣言による分散出社が続いて、一日に二度、三度と用件が発生するごとに短時間出社しなければならないのが面倒臭い。来週からはマスク徹底などの対処で通常勤務となるのだが、今週は一日だけ有給休暇を取ることにして、「鬼滅の刃」と同じシネコンで上映中だった「シン・エヴァンゲリオン劇場版:||」を、見にいった。
テレビシリーズのエヴァンゲリオンは見たことがなく、テレビで放映されていた映画版二作を途中風呂に入ったり、テレビをつけたまま漫画を読みながら、見たことがあった。エッ〇なシーンと壮大なBGMしか覚えてないが、本当に完結するなら見ておくことにした。(スターウォーズのようにドラマシリーズで続かないことを祈る)
—シン・エヴァンゲリオン劇場版
上質な作画・CGI・BGMが溢れたアニメ作品だった。前半は日常生活的なシーンが長々と続くが、飽きることなく見ていることができたのには感心した。特撮の楽屋落ちネタのような要素もちらほらあり、丁寧に(別の言葉で言えば、マニアックに)作られていた。ストーリーを追ったり、意味を考えながら見る作品ではなく、つまり、感動したり解釈したりするタイプの作品ではなく、場面場面でのシーンの美しさ、キャラのやり取りの丁寧な描き方を見ていく作品だ。ラストは心象風景的なシーンに見せかけた、「このアニメはスタジオでのドラマ撮影だった」とでも解釈できるような虚構に仕立てていた。ラスト前は、心象風景シーンの場面転換が際限なく連続する。ファンの一部で、「エヴァンゲリオンは庵野のオ〇ニ〇」と言われているらしいが、こういうところなのだろうか?本作で私が見た限りでは、現状への不満を吐露するような未熟な人間の私小説風ではなく、(好き嫌いはあるだろうが)作品に昇華された庵野秀明という人間の自画像を見たように感じた。ストーリーや戦闘シーン自体にはあまり意味を持たせていないと思う。エンタメとしてのストーリー設定や戦闘シーンであり、視聴者へのサービス精神だろう。庵野秀明にしか作れない作品であり、私にとっての傑作ではないが、とにかく感心した。