最近になってこの漫画の存在を知ったのだが、また、知った時点でもう次回が最終回という、何ともタイミングが悪い話だが、月刊アクションというメジャーとは言えない雑誌だから仕方がない。
・漫画 「乙女戦争 ディーヴチー・ヴァールカ」 大西港一:著
私は歴史劇画とかが好きで、作品の好き嫌いは別にして読むようにしている。今回は存在を知った時点で、コミックの一巻から購入(中古で買えるものは中古で)して読んだ。あまり漫画としての出来はよくないが、作者の性癖というか、嗜好みたいなところが少し変わっていて、フス戦争という中世の中欧の宗教戦争という、普通は取り上げられない場所と時代で、とても興味深く読んだ。
クマン兵というのが五巻辺りで出てきて、ヨーロッパに定着した騎馬遊牧民が大活躍――というか、天使のような乙女たちを捕虜にする悪逆非道な民族として描かれる。(巻末で作者の解説があるが、実際にあった出来事ではなく創作)これは読者サービスという以上に、作者の趣味が反映していると思われる。ただ絵柄が少女漫画風なので、いまいちリアリティに欠けるというか、エロの追求が足りないという感じではあった。シチュエーションだけは、当時の時代背景をよく調査しているのはよくわかったが・・・
現在の最新刊は十一巻だが、もう十二巻で終了になるらしい。まあ、過激な描写は多いが、ストーリーや人物描写が平板な感じがして、好きな題材・時代背景ではあるが、いまいち楽しめ切れないというのが正直なところだ。個人的には惜しいと思う漫画だ。もっと丁寧に時代背景や習俗を描いてくれればよかった。ともかく、最終話でどんな結末をつけるのか楽しみにしている。