以前の記事で、ドスパラVF-AD4という貧弱なノートパソコンを、Linuxマシンにしたことを書いた。その時、antiX LinuxとMX Linux、Puppy Linux(NobelPup32)を、VF-AD4の増設したSSDにインストールしてみた。Puppy Linuxはインストール作業が独特で、ネット情報を参考にフルーガルインストールというのをしたが、何度試してみてもSSDから起動させることができなかった。そのため、Puppy Linuxは断念し、antiX LinuxとMX Linuxも問題があって、最終的には、Manjaro Linuxに落ち着いたのだが、antiX LinuxとMX LinuxはManjaro Linuxより軽快だった。それで、VMwareで、いろいろ試すことにした。
その前に、まず、antiX Linuxは、無線LANを認識しないことが何度かあった。パソコンを変えて試してみると、ドスパラのDX-R3のwifiを全く認識しなかった。VF-AD4は、ほとんどの場合、認識してくれた。インストーラーに含まれているwifi関連パッケージの問題なのか、同じantiXを基にしているはずのMX Linuxは問題なく無線LANを認識している。回避方法があるかもしれないが、何も手掛かりがないので、保留。
次に、VMwareへインストールして試した。MX LinuxでもantiX Linuxでも、steamの公式パッケージのインストールに、失敗した。仕方なく、debianパッケージの方でそれらしいものを幾つかインストールした。一応、使えるように見えた。(その後、リポジトリを米沢大学から、つくばWIDEへ変更したら、エラーなしで公式パッケージがインストールできた。ミラーサイトの問題だったようだ)wineも公式パッケージのインストールに失敗した。debianパッケージで個々の関連パッケージをインストールしたが、「wine windowsプログラムローダー」が右クリックメニューで表示されない。コマンドラインで「wine xxxxx.exe」と入力して実行してみるが、起動されない。情報が少なく解決法が分からないので、一旦、断念した。
MX LinuxのThunarファイルマネージャで、ネットワークHDDへアクセスできなかった。thuar-share-pluginやgvfs関連のパッケージはインストールされていた。いろいろ試して、諦めかけていた時、ファイアウォールの設定のことを、ふと、思い出し、ファイアウォールを全部オフにしたら、あっさりネットワークHDDへアクセスできた。Manjaro LinuxのThunarも部分的にアクセスできなかったりしたので、それもファイアウォールやsambaの設定が原因かもしれない。antiX LinuxのファイルマネージャはThunarでなく、ネットワークのファイル共有機能がないようだ。Thunarを追加インストールして起動したら、やはりファイアウォールをオフにして、問題なくアクセスできた。
ユーザの利便性のために用意されているはずの、公式パッケージのインストールで、リポジトリのパッケージが存在しないとか、公式のSteamをインストールしようとしても、何かのライブラリかパッケージが存在しないか、古い、とかいうメッセージが出て、Steamを入れられなかった問題について、何日かして、ネットで調べてみると、debian系のLinuxは、ミラーサイトの状態で、パッケージのインストールに失敗することがあることを知った。インストール時に勝手に、米沢大学のミラーサーバーに設定されていたのを、リポジトリマネージャで、つくばWIDE公開ミラーへ変更したら、あっさり解決した。ミラーサイト管理者のメンテナンスの悪さの問題だったようだ。
また、wineも同様で、つくばWIDEに変えたら、あっさりインストールできたのだが、winetricksがなく、Debianレポジトリの方のwinetricksのパッケージをインストールした。しかし、winetricksを起動しても何も表示されない。調べてみると、zenityという画面表示のためのパッケージも一緒にインストールする必要があり、それをしたら、正常に動作するようになった。しかし、通信ソフトを「Wine Windowsプログラムローダー」で起動したら、「Runtime error 0 at xxxxxxxx」みたいなのが表示され、実行できなかった。秀丸メールは大丈夫だった。何かパッケージが足りないのか、wineの設定の問題なのか、分からないままだ。Manjaro Linuxの代わりに使うには、もう一歩足りない。
MX Linuxの日本語入力は、Japanese-FontsとJapanese-input-fcitxの二つのパッケージをインストールし、コマンドで、「im-config -n fcitx」と入力実行し、再起動したら、あっけなく成功した。ここら辺は「Linuxとしては」親切な方だ。
MX LinuxがベースにしているantiX Linuxも試してみた。軽い!驚くほど軽かった。しかし、不親切。Icewmというデスクトップは、Xfceに似ていて、気に入ったのだが、やはりパッケージのインストールや、設定関係の情報のなさで躓いてしまった。steamとwineの状態は、MX Linuxと同じで、wineで通信ソフトが動かなかった。結局、今のところ、Manjaro Linuxが軽さと使いやすさのバランスがとれていて、一番良かった。MX Linuxは今後の開発に期待したい。