最近、VF-AD4の画面をうまく閉じれなくなったと感じ、本体を注意深く見てみると、キーボードの部分が盛り上がっていた。裏蓋を取ってみると、内部のリチウムイオンバッテリーが膨らんでいた。Manjaro Linux自体は正常に動いている。バッテリーを取り外して、USB電源入力だけで電源ボタンを押したが、起動しない。再度バッテリーを取り付けると起動する。どうも、コストダウンのために内部の電源関係の回路や、ボタン電池(内部で時計の時間を保持するため)を省略しているようだ。起動の時に、必ずバッテリーから電力を取るようになっているのだろう。eMMCが壊れてしまったのも、このバッテリー膨張が原因だったのかもしれない。
せっかく、Linuxマシンにしたばかりで、新しくWindows11マシンへ買い替えして、元に戻るのは嫌だったので、低スペックの安いノートパソコンで、OSがないものを探した。CPUは1.2GHzで、RAMも8GByte、500Gbyte SSDで十分だ。
馴染みのドスパラには、該当するノートパソコンが見当たらない。他のパソコン通販ショップを探したら、パソコン工房に、要望に近い商品があった。CPUはN100の3.4GHzで、OSなしタイプだと、現在は6/23午前まで、2TByte NVMe M.2 SSDに増量キャンペーン中だった。画面も、15インチでVF-AD4より大きくなる。
— iiyama PC-STYLE-15FH112-N-UCEXB [OS LESS](Amazonには商品なし。パソコン工房の通販サイトで確認してください)
ドスパラから浮気することになるが、OSなしの製品がないので仕方がない。スペックは低くていいのに、現在のドスパラのノートパソコンの商品ラインナップは、高性能で、値段が高すぎる。Windows11はRAM 16GByteが最低必要なので、OSなしでRAM 8GByte、15インチの画面と大容量のSSDの方が魅力的だ。さっそく注文した。
五日後に届いた。ドスパラは必ず三日以内に到着していたので、配送については、ドスパラの方が、上だ。試しに、そのまま電源を入れてみると、なぜか、ファームウェアがネットワーク・インストールをしようとする。強制的に電源を落とした。今度は、電源を入れて、F2を連打するとIntel製のグラフィカルなファームウェアが起動する。だが、変なデザインだ。どこに探している項目があるか、わかりにくい。なんとか、セキュアブートをオフにして設定を保存、、、したと思ったのだが、Manjaro Linuxの最新ISOのライブUSBメモリを作成して、USB起動しようとしても、英語で「セキュリティポリシーで許されていない」とか、何とか表示されて、起動できなかった。改めて、ファームウェアで確認すると、変更していたつもりで、できていなかった。本当に分かりにくいメニューだ。何度か試して、やっとセキュアブートをオフにできた。改めて、USBメモリを付けて起動したが、USBメモリへアクセスせずに、またファームウェアのネットワークインストールの表示がされた。起動ドライブのチェックのデフォルトがSSDのみになっていて、OSがないので、そうなるのだろうか? 不思議な動きだ。一旦、電源を落とす。ライブUSBメモリを接続して、また電源を入れる。試しに、F7を連打したら、起動ドライブの選択メニューが表示されたので、USBメモリから起動した。
そこからのインストールは慣れた手順だったが、Manjaro Linuxは、デフォルトのファイルシステムが、ext4からBtrfs(B-tree filesystem)へ変更されていた。Linuxは今後、このファイルシステムへ移行していくのだろうか? スワップ領域はデフォルトで8Gbyte固定になってしまった。足りないように思って、本格的なデータ移行の前に、SteamゲームのDead or Alive 6をインストールして、起動してみた。遅い。Vulkanシェーダーの処理を開始して、三十分待っても57%までしか進まなかったので、スキップのボタンをクリックして省略した。最初の画面までは進むのだが、グラフィック解像度を落とそうと、オプション画面を選択すると、いきなり落ちた。それで、Gpartedでスワップ領域を16GByteに増やしてから、再度、Manjaro Linuxのインストールをやり直した。しかし、変化なし。他のゲーム(対魔忍コレクション、Dead or Alive 5、Dead or Alive Venus Vacation)は、遅いながら、動作した。性能確認のためにゲームをやっただけで、通常の使い方は、ネット閲覧とメール、表計算での簡単な家計簿めいたデータ管理なので、問題はない。wineで、秀丸メールは何の支障もなく動作した。通信ソフトやVertical Editorは、起動はしたが、時間がなくて、細かい動作確認まではできていない。
データの移行も、問題なく終わったと思ったが、LibreOfficeのCalcの日本語文字が□□□で表示される。日本語化設定やオプションを設定しても直らない。何となく過去に同じ問題に直面した覚えがあり、標準のLibreOfficeを削除し、Flatpak版のLibreOfficeをインストールした。日本語が正しく表示された。VF-AD4のパッケージを確認すると、やはり、Flatpak版だった。Linuxって、こういうことがあるんだよなあ、と、改めて思った。
ハードウェアの性能アップで、更に快適に、Manjaro Linuxが使えるようになった。特に、2TByteのSSDは広々として、ファイルサイズやファイル数を気にする必要がなくなった。このPC-STYLE-15FH112-N-UCEXBは、ACアダプターが専用のもので、19V, 2.37A, 45W。USBでの給電はできない。以前、購入したACアダプターのプラグの変換コネクタが入るか、確認してみようと思うが、手元に、別の19V, 2.37A, 45WのACアダプターがないので、実際には試せない。Wi-fi 6Eなので、通信は早くなった。ギガビットの有線LANも使える。その分、筐体は大きく、重さがある。一番のマイナスポイントは、バッテリーで、とても小さい。カタログ性能でも、三時間弱しか電力が持たないらしい。外への持ち歩きには不向きだ。キーボードも、見た目からして安っぽく、早打ちには向かない。ドスパラのノートパソコンに比べると、デザインが二十年前のノートパソコンみたいに、ものすごく、やぼったい。コストパフォーマンスは良いから、我慢しよう。
(2025/6/20追記)Dead or Alive 6は、起動した後、時限爆弾のように、しばらくして、いきなり落ちてしまうのだが、そのわずかな時間の間にグラフィックの設定をひとつずつ変更することで、何とか動作するようになった(スローモーションの動きだが)。一度目は、ウィンドウモードにして、すぐメイン画面へ戻る。落ちる。また起動して、画面の大きさを小さくして、すぐメイン画面へ戻る。落ちる。また起動して、表示物の数を少なくして、すぐメイン画面へ戻る。落ちる。それで、起動したら、正常に動作するようになった。やはり、Linuxで動作させるのは、RAM 8GByteと、Intel UHD Graphicsでは性能不足なのだろう。
また、以前、VH-AD3Lのために購入したACアダプターのプラグのDC変換コネクタは、どれも入らなかった。本当に、PC-STYLE-15FH112-N-UCEXB 専用のACアダプターのようだ。
(2025/6/21追記)Vertical Editor 2454は、なぜかファイルを読み込んでも文章を表示してくれなかった。試しにVertical Editor 2451(旧バージョン)で試したが、正常に文章が表示された。プリンタードライバーをAURからビルドして、「印刷の管理(CUPS Webインターフェース)」にプリンター登録したら、Vertical Editor 2454でも、正常に文章を表示してくれた。原因はよくわからないが、最新版ではプリンタードライバーの描画機能か何かを利用しているのか、起動時のプリンタードライバーのチェックでエラーになったら途中で内部処理を中断してしまっているか(バグ?)、だろう。通信ソフトは、ハードの性能が上がったのに、何かもっさりと起動するが、正常に動作した。
(2025/6/25追記)VF-AD4は、車で10分ほどの場所にある、市の小型家電回収場所へ持ち込みした。市のホームページで、電池を外すように書いてあったので、バッテリーを取り外して、一緒に持っていった。さらに、ホームページの情報では、「ハードディスク、USBメモリ、メモリーカードなどの補助記憶装置」も回収すると書いてあった。ちょうど、アクセスエラーが出るUSBメモリがあったので、念の為、データ消去しようとして、やはりエラーが出て、そのままVF-AD4と一緒に持っていった。回収場所のセンターは、ゲートがあるわけでもない、末端の支所のような場所だった。回収時にも、特に、チェックや書類への書き込みは必要なく、無料で、スムーズに受け取ってくれた。