open.Yellow.osをVMwareで試してみた。 — 可能性は感じたが、いろいろ残念だった。Xfceデスクトップに変更して、wineとsteamゲームに特化して開発すべき。今のままだと、二年以内でのプロジェクト終了を予想する。

open.Yellow.osを、VMwareで試してみた。インストールも簡単で、最初から日本語入力ができるのは、とても良かった。動作も軽快で、デスクトップ機能も、ショートカットを除いて基本的な設定がされているので、個人的に好感を持った。btrfsやzramという先進的な機能を盛り込んでいるのも優れた点だ。日本人が作成するLinuxディストリビューションの優位を、きちんと活かせている点は、将来の可能性を感じた。しかし、 自分用にアプリや設定を追加していく上で、いろいろ残念な点が目立った。

現在の99%のパソコンユーザーが求めるのは、Windowsの代わりになるかどうかであって、Linuxとして良いかどうかではない。それなのに、Gnomeデスクトップを採用しているのはマイナス点だ。Gnomeへの一般ユーザーの不満として、ショートカットアイコンが、デフォルトで使えないというのがある。手作業で、”.desktop”のファイルを作れば、Gnomeでもできる(私は、そうして使えるようにした)が、Windowsで簡単にできることが、ひと手間どころか、いろいろ調べなければできないのである。open.Yellow.osでは、右クリックメニューに「ショートカットを作成」がなく、デスクトップショートカットを作るという当たり前のことが、すぐにはできない。なぜXfceを採用しなかったのだろうか?Gnomeの哲学があるのは承知しているが、一般ユーザーには関係ないことだ。今できていることが、同じようにできることだけに、興味があるのだ。

例えば、私の場合、プリンタードライバーの追加では、synapticパッケージマネージャから、epson用のドライバーをインストールしたが、プリンター設定で、自動でプリンタを見つけてくれなかった。仕方なく、IPアドレスを確認して、手動検索して、やっと認識させ、「デフォルトプリンター」に設定、、、、、一般ユーザーが、いきなり、これができるだろうか?散々調べても、良く分からない、それで、やっぱりWindowsが使いやすい、という結論を得るだけだろう。それに、今回、VMwareで試していたのだが、パッケージにopen-vm-toolsが入ってなかったので、Windows側から貼り付けやコピーができなくて、設定作業に手間取った。synapticパッケージマネージャからopen-vm-toolsをインストールしたが、なぜか機能しなかった。細かいことであるが、お試しユーザーのためにも、使えるようにして欲しい。あるいは、そういった細かい設定方法を、Archwikiのような形で、簡単に参照できるようになれば、ある程度は緩和される。

wineとwinetricksをインストールして、Vertical Editor2454と通信ソフトを使おうとしたが、「wine windowsプログラムローダー」が、パッケージにはなく、端末で、「sudo curl -o /usr/share/applications/wine.desktop https://raw.githubusercontent.com/wine-mirror/wine/5c2d6211f6590d3856dc9188593b3d3597c8b441/loader/wine.desktop」を実行した。Vertical Editorも通信ソフトも、それで動作できた。これも、Archwikiのような情報源がないと、一般ユーザーには難しい。

当初は、steamをインストールしてゲームが動作するかどうか、そして、CD-ROMドライブを接続して、「筆まめ」が動作するかどうか確認しようと思っていたが、気力が萎えた。

システム的な好みではあるが、debianは、なぜか世界中で人気だが、antiX LinuxやMX Linuxを使った経験から言うと、すごく不安定なOSだ。特に、MX Linuxでsteamゲームを動作させて遊んでいたのだが、半年ほど前のバージョンアップで、突然、起動途中でエラーがでるようになり、動作しなくなった。Manjaro Linuxでは、一度も経験したことがない。それに、debianは、サポート期限がある。一般ユーザーにとっては、再インストールの手間は考えるだけで嫌になるはずだ。私はManjaro Linuxのユーザーで、何も不満がなく、open.Yellow.osもdebianを止めて、ローリングリリースモデルのArch系にして、Xfceと同等な機能を持つデスクトップにした方が良いのではないかと思う。そして、wineとsteamゲームに特化して開発し、Windowsからユーザーを奪うべきだ。今は、少数でしかないLinuxユーザー間だけで、debianだから安定しているはず、デスクトップのデザインがクールだ、Ubuntu系だから親切だ、などと、つまらない理由でユーザーを奪い合っているだけなのだ。このままだと、open.Yellow.osは一部の日本国内のLinuxオタクの噂になるだけで、ユーザー自体は増えず、いつの間にか、更新がなくなってしまう、、、、間違いなく、そんな末路になる。

私の場合、「筆まめ」さえ動作すれば、完全にWindowsから移行できる。open.Yellow.osの軽量さで古いパソコンも活用できるので、継続的なアップデートとツールの開発がされるのならば、5,000円くらい払ってでも使いたいと思っている。今のままだと、Windows10サポート終了の好機を逃して、二年以内にopen.Yellow.osのプロジェクトは終了すると予想する。

ついでに、Live USBメモリを作成して、ドスパラ VH-AD3S proで起動してみた。wifiを認識してくれたが、ESSID(隠蔽SSID)への接続方法が不明で設定できなかった。公開SSIDはwifi接続一覧に表示されるので接続できた。Manjaro LinuxのXfceだと、「非表示 Wi-Fi ネットワークへの接続」で設定できるのだが、open.Yellow.osではボタンが見つからなかった。こういう部分も微調整していかないと、誰も使ってはくれない。

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