たまたま目についた「ハイデガー入門」という本を読んだら、論点がきちんと整理され、語り口も明晰でかなり面白く、難解なハイデガー哲学を何か分かったような気になれた。自分の頭が良くなったように思えてしまえるのだから不思議だ。気に入って断続的に何回も読み返した。
–「ハイデガー入門」 竹田青嗣 講談社学術文庫
ハイデガーの出発点が現象学だということだったので、現象学に関する解説本も読み漁ってしまった。先日、新聞広告で同じ著者の新刊本が出版されることを知って、共著ではあったが購入することにした。
–「超解読! はじめてのヘーゲル『法の哲学』」 竹田青嗣/西研:共著 講談社現代新書
哲学者ヘーゲルの著作を読解しながらの解説なので、堅苦しくはあったが、中学高校の公民の授業みたいな内容(今も公民の科目はあるのだろうか?)で、ちょっと懐かしいような感じだった。受け取り方は人それぞれだろうが、現代の法律のテクニカルな議論ではなく、法の理念の根拠について根本的な原理が何であるかを、当時の知識人(ルソーやホッブスも含めて)が考えて答えを出そうとしたことは良く分かった。たまにはこんなことに頭を使ってみるのも悪くないと思った。
さらに年末(2020/12/28)に、同じ共著で新刊本が出版されることを知った。堅苦しい上に、読者が少ないと思われる哲学分野だが、立て続けに新刊本が出版されるとは、この二人の著者はその分野でトレンドになっているのだろうか?宣伝文によると、「現象学の核心を改めて問い、これまでの理解を批判的に検討した上で、教育学・社会学・医学・心理学への応用可能性を拓く。」とあるので、今度は現象学の応用の仕方みたいな内容らしい。これも予約で購入することにした。
–「現象学とは何か: 哲学と学問を刷新する」 竹田青嗣/西研:共著 河出書房新社
新しい年に哲学の本を読むというのも知的な感じがしていいかもしれない。読んだらまた感想を書こうと思う。