Manjaro Linuxの個人的設定 その3。WineでWindowsのソフトウェアを動かしてみる。

Manjaro Linuxで、wineでのWindows用フリーソフトとシェアウェアの動作状況を確認してみた。

パッケージマネージャから、wine7.16-2をインストールする。ターミナルを起動して、コマンドで、「winecfg」を実行すると、ログインユーザーのホームディレクトリの中に.wineという隠しフォルダが作成される。コマンドラインでは、「wine xxxxx.exe」のようにwindows実行ファイルを指定する。オプションが必要な場合は、オプションも指定する。.wineという隠しフォルダーの中のdrive_cの中にProgram Filesなどのシステム関連のディレクトリが作成されているので、Pathを通すか、長くなるが/home/[–username–]/.wine/drive_c/Program Files (x86)/xxxxx.exeという風に指定しないと、実行すべき実行ファイルが見つからず、エラーとなる。あるいは、ファイルマネージャで、プログラムのファルダを表示させ、実行ファイルを右クリックして、「Wine Windowsプログラムローダーで開く」を選択すれば、起動する。

Windows用の日本語フォントが入っておらず、文字化けするはずなので、winetricksをインストールした。OSの再起動が必要。コマンドラインで、「winetricks allfonts」を実行すると、数十分以上インストールを続けて心配になったが、無事終了。ついでに、wine-gecko(Internet Explorer機能のエミュレーション?)とwine-mono(.NET Frameworkのエミュレーション?)もインストールした。

Wineで、秀丸メール/秀丸エディタ32bit版、Vertical Editor、楽天FXのMarketSpeedFX、Microsoft Office Personal 2007リテール32bit版などを試してみた。通信ソフトも試す。いちいちターミナルから起動するのは面倒なので、デスクトップにランチャーアイコンを作成する。

まずはインストーラーが必要なく簡単そうな、フリーソフトのVertical Editorを、Wineで試してみた。drive_cの直下に圧縮ファイルを展開すると、VerticalEditorというフォルダができる。その中のVerticalEditor.exeを右クリックで「Wine Windowsプログラムローダーで開く」を選択すると、プリンタ関連のエラーが出たが、起動することはできた。しかし、表示がおかしいし、環境設定や検索機能の画面が出てこない。日本語関係の部分がうまく処理されてないのだろうが、使い物にならない。フォントやプリンターの設定を時間を掛けて調べて試せば何とかなるかもしれないが、面倒くさいので諦めた。それでも、デスクトップ上にランチャーを作成してみた。ランチャーの設定は、「コマンド」に「wine /home/xxxxxx(<—ログインユーザー名)/.wine/drive_c/VerticalEditor/VerticalEditor.exe」を設定、「ディレクトリの編集」に、VerticalEditorの設定ファイルが存在する「/home/xxxxxx(<—ログインユーザー名)/.wine/drive_c/VerticalEditor」を設定する。アイコンをダブルクリックすると、「信用されていないアプリケーションランチャー」という確認画面が表示されるが、「実行を許可」すると、起動できた。この確認画面は、ダウンロードとインストール完了待ちの間に、別のマシンのVMwareのLinuxで作成したものをUSBメモリ経由でコピーしたため、所有者が不明なために発生したと思われる。改めてManjaro Linux上で作り直したら、確認画面は出なかった。

(2023/5/28追記) 最新版のManjaro LinuxとwineとwinetricksをVH-AD3S proへインストールしたら、Vertical Editorがメニューも含めて正常に実行できた。ただし、原稿用紙モードの縦書きが微妙に端が切れていたりする。プリンター関連の機能はプリンタードライバーの機能を利用しているためか、使えないようだった。文書の保存はでき、見た目を気にしなければ文書作成には使える。バージョンが上がるたびに改善されていて嬉しい。

次に通信ソフト。これも同じくdrive_cの中にフォルダを作成してファイルを展開するだけでよかった。起動の仕方は、VertcalEditor同じ。後は、通信設定とルーターの設定が必要なだけ。それと、固定IPにする。こちらは問題なく起動、実行できた。

今度はインストーラーでの作業となる。秀丸メールをホームページから32bit版の最新版をダウンロードして、右クリックで「Wine Windowsプログラムローダーで開く」を実行する。exeファイルでなくmsiインストーラーの場合は、「wine msiexec /i xxxxxx.msi」でコマンドラインで実行する。普通にインストーラーが起動し、表示に従うだけでインストール終了。秀丸メールの見慣れたアイコンまで作成してくれた。起動して、メールアカウントとメールサーバーの設定を行った。送受信とも正常に行えた。ただ「最新バージョンの確認」は、外部プログラムのためか、エラーにはならないが、実行されなかった。DLLや外部プログラム、マクロの実行は試していないが、メールの送受信だけなら問題なく利用できている。

続いて、秀丸エディタも基本的に同じ。ダウンロードして実行。全く問題なくインストールされた。テキストファイルの作成、保存も正常。これも「最新バージョンの確認」は、実行されなかった。ここで、はっと気が付いた。文字コードの問題だ。秀丸エディタは初期設定のままだとShift-JISのCR+LF改行コードなので、WindowsからLinuxへ移行する時の障害となる問題である。Linux上で使うのだから文字コードはUTF-8で、改行コードはLFにした方が良い。Mousepadはそれでも読み込んでくれるが、Linuxの設定ファイルの編集をして保存したら、おかしくなってしまうだろう。秀丸エディタのメニューの「その他」の「動作環境」を起動し、「上級者向け設定」にチェックを入れる。「ファイル」項目の「エンコード1」を選択する。「変更(D)….」ボタンを押して、「エンコードの種類」でUTF-8を選択、「BOMの有無」を「なし」に変更する。BOMとはByte Oder Markの略で、Unicodeの種類を判定する3byteの情報らしい。これでいいはずだが、再度開くと、UTF-8のはずなのに文字化けする。こうなると、ほとんど利用価値がない。後日になって思いついたが、「その他」の「ファイルタイプ別の設定」で、「フォント」をUTF-8にも対応しているはずのIPAゴシックフォントに変更したら、文字化けしなくなった。単純な話で、秀丸の初期デフォルトのフォントが、Shift-JIS用のためだっただけだ。
秀丸パブリッシャーは正常にインストールできたが、しかし、印刷画面を開こうとすると、プレビューにWindows用プリンタドライバの機能を利用しているらしく、プリンタ設定をするようメッセージが出るので、利用不可なのだろう。また、マクロは試していない。

楽天FXのMarket Speed FXをダウンロード。これもexeファイルなので、「Wine Windowsプログラムローダーで開く」で実行する。インストールは問題なく終了し、アイコンまで作成してくれたが、起動したら、重大エラーというメッセージが出て動作しなかった。エラーメッセージの「詳細を表示」を見ると、レジスタ関連と、内部的に起動しているらしいexeファイルの起動に失敗しているように見えた。やはり、派生exeプロセスを使わない単一exeでないと、正常に動作しないのだろう。

今回の本命、Microsoft Office Personal 2007リテールのインストールだ。これはWindows10になって、動作はするものの、変なエラーメッセージが出るようになって、使わなくなったものだ。外付けのUSB DVDドライブを接続して、CDを挿入すると問題なく認識した。自動実行はできないので、setup.exeのインストーラーを「Wine Windowsプログラムローダーで開く」で実行した。起動はしたが、すべて文字化け、何もできない。ネット検索でインストール手順を画像付きで解説しているホームページを見つけ出し、それを見ながら、見当をつけながらインストールした。正常に終了した。メニューの「wine」項目にExcelやWordが表示される。Wordを起動すると、「Microsof Officeライセンス認証ウィザード」が表示され、インターネット経由の認証を行おうとしても、通信エラーとなって失敗する。結局、利用できないということだ。入力などは正常に行えた。サポートが終了して認証サーバーもなくなったのか、インストールプログラムが古いか、なのだろう。電話で認証する方法もあるが、電話番号が書いてない。ネットに親切な人が電話番号を書いてくれていたが、そこまでする気にはならなかった。

インストーラーでwineへインストールしたソフトウェアについては、コマンドラインで「wine uninstaller」でツールが起動して、削除できる。メニューにアイコンが残ってしまうかもしれないが、右クリックで削除すればよい。

PlayOnLinuxというwineをGUIで簡単に扱うパッケージがあり、それをインストールして、GUI画面で実行することができるので、PlayOnLinuxで、Wineで動作しなかったソフトを試してみることもできるが、通信ソフトが問題なく動作したので、やめておくことにした。確認したかったのは、Manjaro Linux でどこまで何ができるのかだ。Microsoft OfficeはLibreOfficeで代替できるし、Manjaro Linuxにはエディタもメールソフトもある。動作に不安のあるものを、わざわざ使う必要もない。

カテゴリー: DIY/日曜大工, Linux, パソコン パーマリンク

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です